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衛生確保について

近年、日本では高齢化が進んだことにより、介護施設などに美容師が訪問して行われる「訪問美容サービス」に対するニーズが高まりを見せていることから、訪問美容の衛生を確保するべく、厚生労働省は「出張理容・出張美容に関する衛生管理要領」を定めました。訪問美容師は、これらを遵守する必要があるので、良く読んでおく必要があります。

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訪問美容・出張美容を行う場合に必要な衛生措置について

訪問美容・出張美容が行える場合

出張理容
  • 疾病などの理由によって、理容室に来ることができない人に対して、理容サービスを行う場合
  • 冠婚葬祭に参列する人に対し、その儀式の直前に理容サービスを行う場合
  • 港内に停泊している船舶の中で、その乗組員に対して理容サービスを行う場合
  • 社会福祉施設に入所している人に理容サービスを行う場合
出張美容
  • 疾病などの理由によって、美容室に来ることができない人に対して、美容サービスを行う場合
  • 冠婚葬祭に参列する人に対し、その儀式の直前に美容サービスを行う場合
  • 社会福祉施設に入所している人に美容サービスを行う場合

理容室・美容室における場合と同様の衛生措置

出張理容や出張美容を行う場合には、理容室・美容室同様に行う必要がある衛生措置は次のとおりです。

  • 清潔な作業服を着用し、顔の施術を行う際は清潔なマスクを使用する
  • 手指の爪を短くし、利用者が変わる毎に手洗いをする
  • 化粧品などは、衛生上有害のおそれがあるものは使用しない
  • 首巻や枕当てなどは、消毒を施した布、もしくは清潔な紙でできた製品を使用し、利用者が変わる毎に取り替える
  • 利用者が使う被布は清潔なものを使う
  • 石鹸は粉末のもの、もしくは液体のものを使用する
  • 消毒した器具や布は、未消毒のものと分け、清潔な容器に納める
  • 喫煙や酒気を帯びたまま理容・美容サービスを行わない

携行品の規定

出張理容や出張美容を行う場合、以下のものを携行する必要がある。

  • 作業に必要な数の、消毒した器具や布、さらにこれらを入れることのできる清潔な容器
  • 使用した器具を安全に入れることのできる容器
  • 石鹸ならびに消毒薬
  • 外傷があった場合に対処できる救急薬品など

作業終了後の清掃

作業が終了したら、作業した場所を清掃し、清潔にしておく必要がある。

名札着用について

出張理容や出張美容を行う理容師や美容師は、自らが理容師や美容師であるという旨と、その氏名を明記した名札を着用しなければならない。

洗髪設備について

理容室や美容室においては、洗髪設備が必要である旨を上記に記載しましたが、「知事が公衆衛生上支障がないと認める場合」であれば、設置しなくてもよいとされています。
「知事が公衆衛生上支障がないと認める場合」は、以下を参照してください。

  • 頭髪の刈り込みや結髪などを行わないため、作業によって毛髪が発生しないと認められた場合
  • 洗髪設備以外で適切な設備によって、サービスにより発生する毛髪が衛生的に処理できると認められた場合
  • その他、公衆衛生上で支障がないと認められた場合

理容室・美容室における理容師・美容師の氏名の明示について

従来、理・美容細則で「理・美容のサービスを行う人は、免許証を理容室・美容室の見やすい場所に掲示しなければならない」と規定がありましたが、現在では「理容室・美容室において理容・美容のサービスを行う理容師・美容師は、その氏名ならびに理容師・美容師である旨を利用者に明示しなければならない」となっています。
これによって、免許証の掲示以外にも利用者に対して理容師・美容師の氏名の明示を行うことができるようになっています。従来のとおり、免許証を掲示しても問題はないです。